コラム
MBO(目標管理)を効率化しよう 運用担当者の負担にならないMBOとは
MBO(目標管理)は多くの企業で取り入れられています。しかし、運用に関しては課題を抱えているところも少なくありません。なかでもMBOに関する業務の属人化、業務の肥大化という問題に困っている企業は多いのではないでしょうか。わずかな担当者に業務が偏っていては、担当者の負担が増え、業務効率が悪くなってしまいます。それだけでなくMBO業務が属人化し、担当者の異動や退職時に引き継ぎが困難になるリスクも生じかねません。
この記事では、MBOに関する業務の属人化、業務の肥大化という課題を解決するにはどうすればよいかを説明します。
MBO(目標管理)とは
MBO(Management By Objectives:目標管理制度)とは、社員個人、またはグループごとに自主的に目標を設定し、その達成度合いで評価を決める制度のことです。
MBOの詳細については、「MBOのExcel運用にはどのような課題がある?より戦略的に人材を活用するには」をご覧ください。
現在、多くの企業ではExcelベースでMBOを運用していますが、人事、総務、経営企画部門でMBOを実際に運用する担当者にとっては、いくつもの課題が発生しています。その1つが「MBOに関する業務の属人化、業務の肥大化」です。
MBO(目標管理)に関する業務の属人化、業務の肥大化という課題
ExcelでMBOを運用している多数の企業で、MBOに関する業務が少数の特定の担当者に偏り、業務が属人化するという課題が起こっています。
まず、ExcelでのMBO運用には独特なノウハウが必要なため、MBOに関する業務が一部の担当者に偏りがちです。するとMBOに関する業務の属人化が起こります。そのため特定の担当者にとって負荷がかかりすぎ、MBOに関する業務がさらに偏ってしまう、という悪循環です。その原因はどこにあるのでしょうか?
MBO(目標管理)に関する業務が偏る原因
MBOを紙やExcelベースで運用していると、これまで蓄積されたデータの多くはバラバラに保存されているだけで、一元的に管理されていません。どのファイルがどこにどのように保管されているかは、ほかの人事担当者には分からないため、必要な情報を取り出せなくなってしまうのです。
そのため担当者以外は、蓄積されたデータを使って結果を判断したり、データ分析をしたりできなくなってしまいます。そうなることで、MBOに関する業務はどんどん一部の担当者に偏ってしまい、属人化が進んでしまうのです。
それは、MBO担当者の業務が肥大し、負担が増えることにもつながっています。そもそも、人事の業務は「人事評価」だけではなく、採用業務や研修業務など多岐にわたります。MBOに関する業務の負担が重いことで、そのほかの必要業務を圧迫してしまう恐れがあります。MBOは重要な業務ではありますが、必要以上に業務が肥大化するのは避けなければなりません。
MBO(目標管理)に関する業務の属人化を解消するには?
この課題を解決するには、次のような改善が必要です。
MBOに関する業務をできるだけ効率化する
無駄な作業を削減して効率化を図ります。例えば部署や社員ごとにフォーマットがそろっていなかったり、記入方法に基準がなかったりすると、担当者にはそれらを整える手間が発生してしまいます。改善するにはマニュアル化やフォーマットの統一が有効で、それらによって担当者の負担を減らすことができます。
MBOに関する業務を自動化する
毎回決まって行うExcel操作はマクロで自動化することができます。しかし、マクロを組める担当者に業務が集中してしまい、かえって属人化してしまうリスクがあることから、人事評価システムを導入して自動化する方法も有効です。作業工程を直接削減することで、担当者の作業量を減らすことができます。
MBOに関する情報を共有する
情報のマニュアル化、もしくはノウハウの共有などをします。それによってほかの担当者でも業務を行えるようになるでしょう。さらに情報の一元管理を行うと、各管理者(上司)が必要なときに必要な情報を取り出すことが可能です。
作業環境を整えて効率化を推し進めるとともに、MBOに関する業務の「自動化」や「情報共有」も検討します。それによってより抜本的に課題が解決できるでしょう。
そのほかにも、Excelでの運用には次のような課題があります。
MBOシート(目標管理シート)の運用や管理に手間が生じる
「自社に適したテンプレートを見つけるのが難しい」「転記ミスや更新のし忘れなどが発生すること」などが該当します。
詳細と解決策は「MBOシート作成の課題はなに?人事担当者も記入者も楽になるMBOシートとは」をご覧ください。
Excel運用では評価がバラつく懸念がある
これは、運用情報が一元管理されにくいことや、評価基準が担当者に委ねられていることが原因です。
詳細と解決策は「MBOで評価のバラつきが起きるのはなぜ?どうすれば解決できる?」をご覧ください。
また、MBOは経営管理にも役立てることができます。
ExcelでMBOを運用する場合における経営者の課題については「MBOのExcel運用にはどのような課題がある?より戦略的に人材を活用するには」をご覧ください。こちらの記事では、人事評価システムのメリットや経営に与える効果についても広くご紹介しています。
MBO(目標管理)に関する業務を効率化するには人事評価システムの導入がおすすめ
人事評価システムを導入することで、MBOに関する業務自動化と情報共有がスムーズに実施しやすくなります。人事評価システムの導入により、次のような業務の改善が見込めます。
人事評価業務に関する業務の多くを自動化できる
システム化によって「フォーマットの統一」「フローの可視化」「MBOに関する業務の自動化」などが叶い、効率化できます。担当者に知識やノウハウが偏ることも減り、作業の属人化を解消できるでしょう。
また人事評価システムを導入することで、人事情報の一元管理も可能になります。
過去のデータもデータベース化できる
過去のデータをデータベースとして生かせるシステムなら、これまでのデータが検索可能です。担当者が変わった場合の引き継ぎも容易に。さらに、継続性のある人材育成プランも実現しやすくなります。
データ分析機能により、現状をひと目で把握することができる
システムに用意されたデータ分析機能により、ExcelのマクロやVBAよりも高度なデータ分析が可能です。分析データを判断のベースにすることで、担当者ごと評価基準のバラつきも解消できるでしょう。さらに、レポーティング機能が向上して集計結果が見やすくなる、多方面からの分析が可能になる、といった効果も見込まれます。
ほかのシステムとのデータ連携が可能
MBOシートの内容だけでなく、人件費や給与システムなど、より多くの情報をまとめて、多角的な視点からのデータ分析や判断が可能になります。
MBO(目標管理)担当者の負担を減らしてスムーズに運用するためには効率化が必要
社員が主体的に目標を設定するMBO(目標管理)は、社員の成長やモチベーションアップに有効です。しかし、MBOを行うことで人事担当者の負担が増えすぎていては企業として問題です。
問題を認識し、課題を解決するために目標管理の制度を変えようとしている企業も多いでしょう。「しかし、どこから手を付けたらよいのか」と悩んでいる企業であれば、MBOの運用が可能な人事評価システムの導入をおすすめします。
人事評価を効率的に行い、属人化を防ぐためのさまざまな機能がそろっているため、課題の解決につなげることが可能です。
BizForecastシリーズなら、これまでExcelで運用してきたデータや資産を生かしながら、MBO業務を大きく効率化できます。