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グループ経営管理システム
BizForecastシリーズの導入事例

i-PRO株式会社 様

未来を切り開いた投資決断。
現場も経営陣も納得の管理会計システム成功物語。

社名 i-PRO株式会社
設立 2019年(令和元年)10月
事業内容 セキュリティ・医療・産業分野向け機器・モジュールの開発、製造、販売 システムインテグレーション、施工、保守、メンテナンス及びこれらに関するサービスを含む各種ソリューションの提供
ウェブサイトURL https://i-pro.com/corp/jp/

i-PRO株式会社様とは・・・

「当社はもともと、パナソニック株式会社の一事業部として、60年以上にわたる数々のセンシング技術とイノベーションを元に、セキュリティ監視、パブリックセーフティ、医療用イメージングの各分野に欠かせないセンシング・ソリューションを提供してきました。
2019年10月にパナソニックから事業分離する形で設立され、日本を始め欧米やアジアなど世界5ヵ国に関連会社を持つ独立した企業体となりました。

独立後3年間はパナソニックのIT環境が利用できる契約となっていましたが、そのわずかな期間のうちに、自前の基幹業務システムを構築し、運用を開始しなければなりませんでした。
また、グローバル本社としての経営管理の高度化のためには専用のシステムが必要と考え、BizForecastの導入に至りました」
(経理財務部門 ファイナンスビジネスパートナー ディレクター 兼 ファイナンスDX ディレクター 土井 和俊 様:以下、土井様)

【課題】既存のIT環境から遮断される期日までに単体・連結の管理会計をサービスインしなければならない

未来を切り開いた投資決断。
現場も経営陣も納得の管理会計システムの成功物語。

「前述の通り、2019年10月にパナソニックから独立済みではあったものの、IT環境は依然としてパナソニックのものを使用していました。
契約上、2022年9月末をもってパナソニックのIT環境から遮断されることが決まっていましたので、自前の基幹業務システムの構築が課題となっていました。

基幹業務システムにはグローバルでSAP S/4 HANAの採用が決まり、経営陣からは経営管理のレベルアップが期待されました。
しかし、SAPに蓄積された実績データを集計して経営管理レポートを作成するプロセスはIT部門のリソースの制約のために検討スコープ外となっており、予算集計も含めて当面はExcel作業でカバーすることが要請されました。それでは経営管理の高度化は難しいため、管理会計のスピードと精度の向上を目的とした専用システムを経理財務部門主導で検討することとなりました。

なお、日本法人(単体)はパナソニック独自開発のシステムにより管理会計業務、具体的には実績・予算の部門別集計や配賦処理などを行っていました。
また、海外法人も含めたグローバル(連結)は、別の管理会計システムを用いてデータ収集を実施していましたが、マスタ構造が異なるため単体データの入力にあたりExcel作業での組換が必要でした。
また、連結データから経営管理レポートを完成させるためには、その後さらに複数回のExcel作業が必要という複雑な業務プロセスとなっていました。
このため、レポート作成業務に非常に時間がかかるだけでなく、本来なら単体データを修正すべき事象が発生した場合も、元データを修正せずに最終のExcel上のみで修正対応することが常態化していました」(土井様)

【選定】BizForecastなら、日本人にとっての操作性の良さと多言語対応・海外からのアクセスを両立できる

「日本の仕組みを持ちながら海外でも使えるものは、BizForecastしかない」土井 和俊 氏

「当社の管理会計では、単体だけでなく海外法人からのデータ入力も必要となります。
海外法人が使いやすいシステムというと海外製のシステムが候補に挙がりがちですが、海外製だと日本人にとっては使いにくい部分もあります。
かといって、まったく別のシステムを採用するとなると、単体データの変換作業など考慮すべき点が多くなってしまいます。

そこで、前職で利用していたBizForecastが浮かびました。
日本人にとっての操作性の良さと、連結で利用できる「多言語対応・海外からのアクセス可能」という条件を兼ね備えた管理会計システムは、BizForecastだけだと考えたのです。
前職での経験から、どのようなシステムであるか、機能や使い勝手を把握できているという安心感もあり、BizForecast一択となりました。

前職でのBizForecast利用時は、入力作業や集計作業は格段に効率化できたのですが、出力作業に関しては、Excel作業を劇的に減らすことができなかったという苦い経験がありました。
特に、経営管理レポートの出力に関しては、経営陣にシステムにログインして見てもらうのは現実的ではないと考えていました。理想は、CEOが朝、スマホでデータを確認して「これは、どうなっているんだ?」と指示が出せる状態です。
従いまして、これまでのように、帳票をダウンロードしてExcelで集計してというフローは許容できず、新たな運用方法を模索していました。

これをプライマルへ伝えたところ、Microsoft Power BIとの連携を提案いただき、ベンダーとしてカコムス株式会社を紹介してもらいました。
ここから、3社で2つのプロジェクトの同時進行がスタートしました」(土井様)

【導入】複数プロジェクトの並行もスムーズに進行 「出力」を起点としたことが奏功

「BizForecastの導入プロジェクトは、単体を『フェーズ1』、連結を『フェーズ2』とし、私自身がプロジェクトリーダーとなり、さらに実務も兼ねるかたちとなりました。スケジュールがタイトだったため、『フェーズ1』の構築を進めながら、『フェーズ2』の要件定義を並行して進めました。
さらに、Microsoft Power BIとの連携プロジェクトも重なるという慌ただしさでしたが、プライマルとカコムスには過去にもBizForecastとMicrosoft Power BIを連携させた協業の事例があったこともあり、当社にとってベストな連携方法を2社で検討して提案していただけるなど、非常にスムーズに進行しました。

これまでの経験から、『入力』を起点とすると、さまざまな担当者の意見が入り、その結果、必要な情報を出力できなくなるリスクがあると考えたため、
『このようなデータを経営管理レポートに表示するには、どのように入力させるか、集計するか』と、常に『出力』を起点に考えを進めたので手戻りは少なかったと自負しています。

ただ、データ移行は大変でした。もともと単体と連結で用いているシステムのマスタ構造が異なるうえ、プロジェクト開始直後に大きな組織変更があったため、
データの構成を統一しつつ、新組織体制に変換する作業の負荷は大きいものがありました。
これを検証してくれたプライマル側の作業もハードだったろうと思います。

また、旧システム上で実現していた「人件費」や「減価償却費」の集計方法は、経営管理レベルを高める要素だと考え、BizForecastでも再現してもらいました。
たとえば「人件費」なら、月ごとに部門別の在籍者名を入力するだけで、裏側で等級に応じた単価をもとに金額を自動算定してくれます。
こうした要望にも柔軟に対応していただき、改良を加えた上で完全に再現してもらえたことに、感謝しています」(土井様)

【効果】データ入力から出力までのブラックボックスを解消 出力データをスムーズにさかのぼれるようになった

「データの入力者は、管理会計システムが大きく入れ替わったことに気付いていないかもしれません。それほど、既存システムと変わらない機能や使用感を短期間で再現できたということです」土井 和俊 氏

「2022年9月末に旧IT環境から遮断されるのに先立ち、単体は7月に、連結も9月から稼働を開始することができました。

現在、BizForecastでは、それぞれ下記の項目を入力・管理しています。

従来は、単体システムと連結システムの科目マスタ体系、経営管理レポートのP&L科目がすべて異なっており、各担当者により複数のExcelファイルで科目組換を行っていました。そのため、入力と出力の間が完全にブラックボックス化していました。
また、せっかく細かいデータを収集しているのに、Excelファイルですべてのデータを保持していると膨大なデータ量になってしまうことから、作業効率アップを図るために、レポート作成の過程である一定の粒度にデータが集約されていました。
その結果、経営陣が経理へデータの出自を問い合わせても、この組換・変換作業を一つずつさかのぼる必要があるため、回答には数日から1週間近くかかる場合もありました。
BizForecastになってからはデータが一気通貫しているので、一瞬で元データを突き止められるようになりましたし、ファイルサイズを気にする必要がないので、収集したデータをフル活用できています。

また従来は、経営管理レポートの作成時に単体での入力ミスが発覚した場合は、時間の制約により最終段階のExcelファイル上で直接修正するしかない状況でした。
現在は、BizForecast上で単体の数値を修正してから連結環境にデータ連携しても、30分以内ですべての処理が完了します。元データから正しい数値に直せるようになりました。

経営管理レポートの出力に関しては、単体と連結でそれぞれ異なる活用を行っています。

単体では、一般的な予算管理として部門ごとに予算が上限を超えていないかなど、細かいレベルでの確認を中心に活用しています。
Power BIで直接、経営管理レポートを確認できるようになったため、リアルタイムに更新された詳細なデータをチェックできるようになりました。
また、BizForecastへログインすることもExcel作業もなくなったことで、格段に利便性が向上したと感じています。

一方、連結では世界5社から集めた数字を元に、地域別や商品別で損益計算書を作成したり、法人別の在庫データを確認したりするのに活用しています。
収支を一覧で確認できるようにして、月別の推移や地域の利益を比較するのに役立てています。

今、経営陣は経理に頼まなくてもWeb画面上ですぐに見たいデータが確認できます。経理担当者にとっては大変な面もありますが、経営陣からのデータに対する質問のレベルが上がってきていると実感しています。

なお、本格的なサービスインの前には、キーパーソンへの最終操作説明会を実施して、出された意見を踏まえたマイナー改修などを実施したものの、大きな混乱なくスムーズに実運用へと移行できました。

特に単体は、長年にわたりユーザーの要望を取り入れてアップデートを繰り返してきた旧システムからの移行でしたが、入力インターフェースなどを合わせてもらったおかげもあり、100名を超える入力担当者から何も不満が上がりませんでした。ひょっとすると、管理会計システムが大きく入れ替わったことに気づいていないかもしれません。
そう思えるほど、作りこまれた旧システムと遜色のないものを再現できたのだろうと感じています。しかも、たった半年足らずという短期間で構築できたのです」(土井様)

【実感】管理者視点・入力担当者視点のどちらからも使いやすいシステム

「私のミッションは、SAP S/4 HANAの安定稼働だったため、SAPが落ち着いてきたタイミングでBizForecastの運用開始後にプロジェクトに加わりました。
管理者としてBizForecastを見た場合、外貨から日本円への換算がボタン一つで行え、自動計算してくれるため、慣れるほどにユーザーフレンドリーなシステムだと思います。
入力担当者視点で見た場合も、海外法人に操作説明した際に質問が出なかったことからも、シンプルで使いやすい証だと捉えています」
(経理財務部門 ファイナンスビジネスパートナー シニアスペシャリスト 橋本 雄太様)

【展望】追加開発で仕組みをブラッシュアップ中 さらなる経営管理のレベルアップを目指す

「これまでは、各部門・法人の入力完了の連絡は憂鬱な気分にさせる合図でした。というのも、以前はそこからの連結作業・最終確認に長い時間が必要だったためです。BizForecast導入後は、入力完了=集計作業ほぼ完了を意味するようになり、精神的な負担も軽減されました。

BizForecastとPower BIとの連携で、i-PROとして独自の経営管理システムの基盤を整えることができました。
BizForecastの導入時は、新基幹業務システムでのオペレーションが固まっていない状況でした。BizForecastのサービスイン後に、経営管理に大きな影響のある変化が生じる可能性があることから、ベンダーには『運用開始後も一定期間はリソースを確保してくれること』を条件に挙げていました。
実際に、運用開始後もプライマルへは追加の要望を伝えて、迅速・柔軟に対応してもらっており、感謝しています。

これからもこの仕組みを活用しながら、グローバル本社としての経営管理をさらにレベルアップしていきたいと考えております」(土井様)

※本事例は2023年5月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はお控えください。