コラム
予実管理は柔軟性に優れたExcel運用が多い!経営強化のためにより効率的に予実管理が行えるシステムを導入しよう
管理会計は、経営環境の変化においてより効力を発揮し、ビジネスを成長へ導きます。管理会計には、企業ごとに、そして時代に適した変革と経営戦略に落とし込まれた目標設定が求められます。自社に合った運用が求められることにより、柔軟なツールであるExcelを予実管理のために採用する企業が多いのですが、予実管理をExcelで運用することにはいくつもの課題があります。管理会計が本来の効力を発揮するためには、予実管理を含めた管理会計を効率的に行えるシステムの導入が合理的です。Excelの限界を紹介するとともに、予実管理システムの必要性と重要性について説明します。
予実管理がExcelで運用されている理由
現在、多くの企業ではExcelで予実管理を行っています。それは、財務会計のために導入されている会計パッケージやERPでは、予実管理をはじめとする管理会計を行えないためです。会計パッケージで対応できない部分を、柔軟なツールであるExcelが補っているのです。
予実管理とは
予実管理とは予算管理とも呼ばれ、企業の「予算」と「実績」を比較・管理することです。予実管理を行うことで、経営の現状や課題を正確に把握することができます。
予実管理は、経営者や管理職に向けて、経営判断のベースとなる資料や情報を提供するものです。そのため、スピーディーな処理によるタイムリーな情報であることと、経営判断への「使いやすさ」「分かりやすさ」が重要視されます。形よりも内容が重要であるため形式に規定はなく、自社の経営層にとって有用であれば問題ありません。
予実管理は、「管理会計」の大きな構成要素のひとつです。管理会計とは、内部の管理・統制に役立てるための会計もしくは会計情報を作成するプロセスを指します。経営企画の担当者は管理・統制に必要な情報を適宜抽出して、経営者や企業内部の管理者に資料や情報を提供しなければなりません。
予実管理については、「予実管理を高度化して効率的に運用するために、予実管理システムの導入を検討しよう」でも触れていますのでご覧ください。
管理会計と財務会計との違い
一方、財務会計とは、業績や会計情報を企業外に公表するための会計です。会計基準を順守して財務諸表をはじめとする会計報告書を作成し、株主・債権者・取引先などのステークホルダーに対して提供します。社外への情報公開が目的なので、正確性はもちろん形式も重要です。
財務会計をIT化するには、Excelではなく会計パッケージソフトやERPを使う企業が多いでしょう。しかし、多くの会計パッケージソフトやERPでは財務会計機能のみを実現しているため、予実管理のような経営判断につながるデータ分析を行う機能は充実していないことが多く、管理会計には実用的ではありません。
そのため、予実管理をはじめとする管理会計部分はExcelで運用している企業が多いのですが、そうした企業は、予実管理システムを導入した方が効果的です。予実管理システムならば、管理会計に必要なデータ分析やパターン、製品別・エリア別・事業別などのシミュレーション機能が充実しており、経営判断に生かすことができます。また、財務会計をはじめとするほかのアプリケーションやシステムとの連携機能も豊富です。

Excelで予実管理を行うことの限界
Excelでの運用には、次のようなメリットがあります。
- システム導入コストが抑えられる
- カスタマイズしやすい
しかし、PCのアプリケーションとして設計されたExcelでの運用には、一定の限界があります。例えば、次のような部分です。
- 複数人での同時編集がやりにくい
- 変更履歴を追跡しにくい
- ファイル破損といったリスクがある
- データ量が膨大になると動作が不安定になる
- 不定期にバージョンアップの手間が生じる
- バージョンアップによって、以前のファイルが開けなくなるリスクがある
- ノウハウが属人化しやすい
Excelを複数人で同時編集することは不可能ではありませんが、データ変更が互いに競合してしまうリスクがあります。また、マクロや関数、計算式などを設定すると、作成者や担当者など特定の社員しかメンテナンスできなくなる可能性があります。
これらはアプリケーションとしてのExcelの限界ですが、ほかにもExcelでの運用には業務効率化に対する課題もあります。
Excel運用における業務効率化に対する課題
Excelでの予実管理の運用には、業務効率化に対する課題もあります。
日々の作業が面倒
- 日々ファイルやバージョンが増えていき、管理負担が増える
- 当初予算と修正予算の保持、送配信のバージョン管理などといった膨大なデータを適切に運用するのが難しい
- データやファイルを取り合う際にデータ消失や情報漏えいのリスクがある
データ連携がしにくい
- データ入力を手入力に頼る部分が多い
- 各部門で入力フォームを変更されてしまうことがある
- 各部門や拠点ごとに、入力からレポートまでの業務サイクルを回すのが困難
自動収集ではないため、各部門から予算案を収集するまでにかなりの時間がかかります。また、入力フォームが変更されてしまうと、修正作業が発生してしまいます。
業務サイクルに関しても「入力フォームの配布→回収→チェック→集計→レポート」のように工程が長く、他関係部署や拠点の数、関係者が多くなると処理が煩雑になります。
予実管理を運用するには機能が乏しい
- より高度なデータ分析、緻密なシミュレーションなどを行うには機能が少ない
- マクロを使いこなし、必要なデータ分析を行うには、Excelや会計についてそれなりのノウハウと技術が必要になる
- クラウドサービスに比べ、データ共有が難しい
クラウドサービスによる予実管理システムについては、「事業拡大に有利な予実管理システムの形とは?海外展開に強みを発揮するクラウドサービス」もご覧ください。
Excelのアプリケーションとしての限界や業務効率化に対する課題については、予実管理システムを導入することで対応できます。
Excelの限界を解決するには、予実管理システムの導入が必要
予実管理システムとは、予算と実績の比較を自動的に行い、データを一元的に管理し、より高度なデータ分析を行うことができるシステムです。
予実管理システムは、非会計的情報の管理と予実比較に特化しています。これと財務会計を行うアプリケーションを組み合わせることで、Excelで運用していたときの課題を解決し、効率的に予実管理をはじめとした管理会計を運用することができます。
予実管理システムを導入する実務上のメリット
予実管理システムを導入すれば、予実管理の業務が飛躍的に楽になります。
- より高度な分析結果を得られる
- データ連携や自動分析により、入力からレポート作成までの過程がより効率的かつスピーディーになる
- Excelよりも大規模なデータを扱うことができる
- 過去のデータを参照しやすくなる
- Excelでマクロを組むよりも高度で多彩な分析機能がある
- ファイル管理・共有やバージョン管理がしやすくなる
- セキュリティを確保しやすくなる
予実管理システムを導入する経営上のメリット
予実管理システムを導入すれば、次のように経営判断に生かすことができます。
- 経営判断に必要な分析結果やレポートをスピーディーに用意できる
- レポートやデータを生かして適切なKPIを設定でき、KPIを振り返る際の分析にも生かすことができる
- 月次レポート、事業別、エリア別、個社予実からグループ連結の集計など、さまざまな角度からのデータ分析を提案できる
- これらの資料を作成することで、経営判断に対して企画部門がより重要な役割を果たせる
これまでExcelで予実管理を運用してきたならば、データやレポートなどが残っているはずです。Excelから予実管理システムに移行するためには、これまでの資産をどのように生かすかが重要なポイントになります。
そのためには、「脱Excelではなく、活Excel」をポイントにしてExcelとうまく連携し、これまでの資産を生かせる予実管理システムが必要です。そういった予実管理システムならば、これまでの資産を生かしながら、スムーズにシステム移行することができます。
予実管理を行うツールについては、「予実管理にツールを導入するメリットとは?自社に合ったツールの選び方を考える」もご覧ください。
また、予実管理について経営者の視座から知りたい場合には、「予実管理を高度化して効率的に運用するために、予実管理システムの導入を検討しよう」をご覧ください。
脱Excelではなく、活Excelが可能な予実管理システムはBizForecast
BizForecastは、現在Excelで運用されているシステムやすでに導入されている基幹システムを生かし、より高度な処理を行うことができる予実管理システムです。
データを生かすだけでなく、インターフェイスや操作感もExcelから違和感なく移行できます。先に挙げたようなExcelでの運用の課題を解決することができますし、Excelの長所とシステムの長所を融合することで、緻密でスピーディーな予実管理を行うことが可能です。
予実管理システムの導入で、より高度な経営判断を行うことができるようになる
一般的な会計ソフトでは財務会計を行うことはできますが、予実管理をはじめとした管理会計や高度なデータ分析を行うことができません。そのため、予実管理はExcelでの運用を続けている企業も多いでしょう。しかし、Excelでの運用は作業においても機能においても、限界を迎えることは確実です。予実管理システムを導入すれば、財務会計とリンクしながらより効率的な予実管理や高度なデータ分析を行うことができます。
BizForecastはExcelの資産を生かしての移行がしやすいシステムです。導入を検討してみてはいかがでしょうか。